メイン州の隠れた海辺の憩い
メイン州の隠れた海辺の憩い:マックワース島を探訪

ロバート・タラー著
目立たず静かに存在する場所は、ゆっくり歩き、よく耳を傾け、静けさの中に美を見出す人にこそ発見されるものです。メイン州ファルマス沖に浮かぶマックワース島は、まさにそんな場所。霧の立ちこめる9月の朝、私はこの島を初めて訪れました。期待はささやかな散歩程度。しかし、そこには静けさと歴史、そして思いがけない魔法のような魅力が広がっていました。このガイドは、ただの目的地ではなく、心に残る“ひととき”を求める人のためのものです。
マックワース島とは?
小さな島に秘められた大きな物語

マックワース島は、メイン州ポートランドの北、カスコ湾に浮かぶ小さな森の島です。広さは約40ヘクタールと小規模ながら、歴史と自然の魅力に溢れています。細い堤道で本土とつながり、州立公園「マックワース島州立公園」として整備されています。
島の歴史
元々はアベナキ族の居住地で、その後この地に移住したアーサー・マックワースの名にちなんで名付けられました。20世紀にはメイン州知事で慈善家のパーシバル・バクスターがこの島を所有し、最終的には州に寄付され一般に開放されました。
アクセス方法と駐車場情報
マックワース島へは、ファルマスのルート1号線からアンドリューズ・アベニュー経由で車で行けます。島の入口に駐車場がありますが、スペースは限られており、特に週末や夏季は早めの到着が推奨されます。
- 住所:Andrews Avenue, Falmouth, Maine 04105
- 駐車料金:メイン州民は$3、他州民は$4(現金のみ)
マックワース島でできること
島を一周するループ・トレイルを散策
島最大の魅力は、島の外周を囲む約2kmのループトレイル。カスコ湾の雄大な景色、小さなビーチや岩場、常緑樹や白樺の木陰を歩く静かな林道が楽しめます。
トレイル沿いの見どころ:
- 静かな時間を過ごせるベンチ
- 潮入りの入り江に架かる木製の橋
- 潮溜まりや岩浜の探検スポット
フェアリー・ビレッジを訪れる

トレイルの中ほどには、小さな魔法の世界「フェアリー・ビレッジ」があります。枝や樹皮、石、苔などで小さな家を作るこのエリアは、子どもや童心を忘れない大人に大人気。訪問者が自由に作り足すことで、伝統的で幻想的な場所となっています。
ペット墓地を見学
トレイルの入口付近には、バクスター元知事が愛したアイリッシュ・セッターたちの墓地があります。名前が刻まれた小さな墓石が並び、個人的で歴史的な雰囲気を感じさせる静かな空間です。
ベストシーズンと見どころ
季節 | 特徴 |
春 | 野の花、新緑、人が少ない静けさ |
夏 | 温暖な気候、ビーチや散策に最適 |
秋 | 鮮やかな紅葉、快適なハイキング条件 |
冬 | 静寂な空気、ただし雪や氷に注意 |
自然と野生動物
小さな島ながら、動植物は豊富。季節によって以下のような自然に出会えます:
- 魚を狙うミサゴや海鳥
- 茂みを駆け回るリス
- 沖合に現れるアザラシ
- ルピナスやエンレイソウなどの野草
実用的な訪問アドバイス
持ち物チェックリスト
- 履きやすいウォーキングシューズまたは登山靴
- 飲料水と軽食(販売機は無し)
- 写真用のカメラまたはスマホ
- 夏季は虫除けスプレー
- ゴミ袋(持ち帰りが原則)
マナーとルール
- 犬は禁止(リード付きでも不可)
- トレイルでの自転車走行は禁止
- 植生保護と侵食防止のため指定ルートを厳守
- フェアリーハウスの破壊・持ち帰りは禁止
宿泊情報:周辺のホテル
島内には宿泊施設はありませんが、近隣のポートランドやファルマスに多様な選択肢があります。

ホテル名 | 所在地 | 種別 | 価格帯 |
The Press Hotel | ポートランド | ブティック | $$$ |
Inn by the Sea | ケープエリザベス | ラグジュアリー | $$$$ |
Hilton Garden Inn | フリーポート | 中価格帯 | $$ |
Fleetwood House B&B | ポートランド | B&B | $$ |
近隣の食事スポット
散策後に立ち寄れるレストランも多数。
レストラン名 | ジャンル | 距離 | 価格帯 |
Dockside Grill | シーフード | 2.4km | $$$ |
Rosemont Market & Bakery | デリ/ベーカリー | 2.9km | $$ |
Flatbread Company | 薪焼きピザ | 5.6km | $$ |
Eventide Oyster Co. | オイスター/シーフード | 6.7km | $$$$ |
イベントと地域の活動

マックワース島自体で定期的なイベントは開催されていませんが、近隣のファルマスやポートランドでは季節のフェスティバルやファーマーズマーケット、アートウォークなどが楽しめます。都会的な喧騒を離れ、自然と静けさを満喫したい方にぴったりの場所です。
マックワース島に関するよくある質問(15+)
マックワース島は一年中開いていますか?
はい、日の出から日没まで通年開放されています。
入場料はありますか
駐車料金として、メイン州民は$3、州外からの訪問者は$4が必要です。
犬を連れて行けますか
いいえ、犬の同伴は禁止されています。
トイレはありますか?
仮設トイレが駐車場付近にあります。
車椅子でのアクセスは可能ですか?
舗装されていないため、車椅子には適していません。
島で泳げますか?
正式な遊泳場はありませんが、潮溜まりはアクセス可能です。
ガイドツアーはありますか?
いいえ、基本的にはセルフガイド方式です。
トレイルの所要時間は?
30〜60分程度で一周できます(歩く速度による)。
自転車は利用できますか?
トレイル上での自転車は禁止されています。
キャンプはできますか?
宿泊は禁止されています。
釣りはできますか?
ライセンスがあれば、沿岸から釣り可能です。
どんな野生動物が見られますか?
鳥類、リス、シマリス、運が良ければ沖合のアザラシなど。
子ども連れでも楽しめますか?
もちろんです。特にフェアリーハウスは子どもに大人気です。
近くに食事できる場所はありますか?
ファルマスやポートランドに多くのレストランがあります。
ベビーカーで行けますか?
ジョギング用ベビーカーなら可能ですが、通常のものは凹凸のある道で苦労するかもしれません。
メイン州を初めて訪れる人も、静かな週末を求める地元民も、マックワース島での散歩は一見の価値あり。壮大さで圧倒することはありませんが、その静かな森、塩の香り、そして囁くような伝承の中に、静かな力を感じることでしょう。
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